星を継ぐもの【新版】は、SF小説だがミステリー小説のようだった。

  「星を継ぐもの」は、SF界の巨匠ジェイムズ・P・ホーガンの1977年の作品で、日本では1980年に邦訳され出版された。今回は「創元SF文庫60周年記念新版として刊行とのこと。

 月面調査員が、真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体はなんと死後5万年を経過していることが判明する。果たして現生人類とのつながりは、いかなるものなのか? いっぽう木星の衛星ガニメデでは、地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。


 古い作品ですけど人気も高くビックコミックで漫画が連載されるなど日本国内でも評価が高いようだ。今回の新版はどこが違うのかはっきりわからないが、文字の大きさ等を変更し読みやすくしたものらしいが、それでも年のせいか結構文字が小さく詰まっていたように思う。とはいえ描写は古臭さを全く感じない。

 月で発見された5万年前の死体、それが何者なのか?異星人なのか?という紹介文で興味をそそられた。SFものといいつつ死体の身元捜しから死因の解明を学者達が調査するのはある意味探偵もののミステリー小説のように話が進んでいきとても面白かった。

 細かい科学的な解説や仮説を繰り返していくところや、5万年前の生存時の月の描写も差し込まれるので、何度も繰り返し読みたい作品だ。


 今後も同シリーズを「ガニメデの優しい巨人」、「巨人たちの星」、「内なる宇宙」も続けて刊行され、未訳の最終巻も刊行されることが決定された模様だ。楽しみが増えたな。



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